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特集

土壌診断、樹液・土壌溶液分析で何が解り、そして解らないのか?

 別な病気かもしれないので、別な診察を受ける必要があるのです。

 実は生産現場でもこのプロセスと考え方が大変重要です。

 作物体分析の結果が、「カルシウム欠乏」という結果であっても「そうか、カルシウム欠乏だったのか…」と納得してはいけないという事なのです。

 この「カルシウム欠乏」という結果も、たんなる「仮説」にしか過ぎないからです。

 何らかの手段で「カルシウム」を補って、問題解決すれば「カルシウム欠乏」が正しかった事は実証されますが、解決しなかった場合には、別の要因である可能性があるわけです。

 そして、別な要因を探るための分析をする必要があるのです。

 このように分析結果は、あくまでも「仮説」の範疇でしかないという認識が大切です。

 その認識がない人が、つい早合点して「分析なんて役立たず!」という結論に達してしまうのです。


分析結果の注意点

 さて、次は「分析結果」について、最も注意しなければならない事について考えてみます。

 それは、「分析結果=対策」ではないという事です。

 これはどういう意味かといいますと、「カルシウム欠乏」という結果が出ると、多くの人が「カルシウム欠乏だからカルシウムを足してやろう!」と考えてしまいがちですが、この考え方には注意が必要です。

 なぜなら、「カルシウム欠乏」の要因は幾つもあるからです。

 次に「カルシウム欠乏」の要因を幾つか挙げてみます。(図1参照)

主要因(1):土壌にカルシウムが不足している
主要因(2):土壌にカルシウムは存在しているが利用出来ない

二次要因
1 リン酸カルシウムや硫酸カルシウムなどの固定化
2 アンモニア態窒素やマグネシウムとの拮抗作用
3 カルシウム以外の元素の過不足
4 水分不足(イオン化されない)

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