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田牧一郎のカリフォルニア稲作便り

カリフォルニアのコメ流通

カリフォルニアのコメ流通には特別の規制もなく、誰でもが参入できるようになっています。生産者が直接販売する事もあれば、農協がまとめて販売するものもあります。左ページの図はコメの生産から消費までの流れを簡単に表したものです。
 カリフォルニアのコメ流通には特別の規制もなく、誰でもが参入できるようになっています。

 生産者が直接販売する事もあれば、農協がまとめて販売するものもあります。左ページの図はコメの生産から消費までの流れを簡単に表したものです。

 生産したコメを販売する場合、どこに売るかは経営者自身が毎年決めます。売ろうと思えば直接消費者に販売しても良いし、精米会社に販売しても良く、誰にでも売ることができます。生産物をいかに有利に販売するか、できるかで、その年の収入が決まってしまいますので、売り先は慎重に選ばなければなりません。


籾の販売


 こちらでのコメの流通は籾か白米です。生産者が収穫した生籾は日本で言うところのカントリーエレベーター(こちらでは単純にドライヤーと呼んでいる大型の乾燥・貯蔵施設)または生産者自身が持っている乾燥施設(ファームビンと呼んでいる小規模の乾燥保管施設)に運ばれ、乾燥して乾籾で保管されます。この先は日本ですと各生産者あるいはカントリーが籾すり・選別を行い、政府米あるいは自主流通米として出荷するのが一般的でしょう。こちらでは籾すりの施設を持っているのは精米工場ですので、生産者から精米工場に販売された後に籾すり・精米が行われます。乾燥した籾から製品である白米まで一気に処理してしまうのがこちらの精米工場で、生産者は保管倉庫や自分のビンに入っている籾をそのまま販売することになります。

 籾から白米がどれだけできるかの精米歩留まりや、異物・被害粒の混入の程度で価格が決まりますし、当然品種によって相場も異なります。この相場がコメの作付け前に予想され、それを元に生産者は何を作付けしどこに販売するかを決めます。

 ちょっと奇妙な感じがしますが、カリフォルニアのコメ生産者のほとんどは基本的に契約栽培を行っていることになります。買い手である精米会社や農協がその年のコメの買い取り予想価格を春の作付け前に生産者に提示します。それらを比較し水利の関係で耕作可能な面積や、予想収益を計算して借地を増やせるのかどうかなど、経営者にとって一年の計画を立てる大変重要な作業を行うのが作付け前の時期です。

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