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【津軽・黄金崎農業通信】
ライスセンターの荷受け能力を上回る小麦
- (有)サンアップル醸造ジャパン 社長 木村慎一
- 第9回 1997年08月01日
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9年度はコスト減に配慮
今年の総会は6月25日に開きました。我々の総会は、指導機関や取引先など多くの関係する人達にも集まってもらっています。公表することにより経営内容を良く理解してもらうと同時に、忌憚のない意見を聞くことをねらいとしています。
さて、総会では、8年度の事業実績と9年度の方針が承認されましたが、残念ながら8年度の農産物の販売額は目標を下回る4億円余にとどまりました。
O157による農産物価格の低迷、播種時の長雨による小麦の作柄不良などによるものですが、4億5千万円程度は目論んでいただけに残念です。このため、1千万円を超える赤字がでました。
平成9年度はこの欠損金解消もねらい、4億6千万円を販売目標に掲げました。そして、思い切って我々3人の役員報酬を1ヶ月につき30万円減ずることにしました。法人経営者としては、結果責任があるわけですから、厳しいがやむを得ないところです。
さらに、我々の報酬減のほかにコストをできるだけ切り詰めること、この2年間多大な投資をしてきただけに、設備投資を極力抑えること、契約栽培のほかに消費者への直売の方向を探ることなどの対応も打ち出しました。9年度は、正念場の年になりそうです。
7月、収穫期の天候が収益に大きく影響する小麦にとっては、福の神といってもいい好天続きです。小麦担当の竹内雅孝は豪胆なところもあるのですが、それでもこの時期になると、胃が痛みだすと言います。小麦は、降雨が続くと、穂発芽してしまい、1円の商品価値さえなくなってしまうのです。1分で1万円を得るか、失うか、どちらかなのです。
今年の小麦は、作柄が近年になく良いだけに、好天とあいまって、5台のコンバインがフル稼働しています。ところが、天候に恵まれ、作業が進んだことに加え、収量も多いために、大きな問題が生じました。農場の本拠地深浦町で刈り取った小麦は、ここから約70km離れた農協のライスセンターに乾燥調製を委託していますが、7月16日から3日間連続で100t程度送り込んだところ、乾燥能力を上回る量となり、4日目に搬入ストップがかかったのです。
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木村慎一 キムラシンイチ
(有)サンアップル醸造ジャパン
社長
1950年、青森県生まれ。4Hクラブの仲間とともに76年、農事組合法人黄金崎農場(現・⑭黄金崎農場)を設立。88年、青森県青年農業士会会長に就任。2001年、青森県農業経営士会会長に就任。05年、黄金崎農場を退社し、⑰サンアップル醸造ジャパンを設立。07年、ウクライナで大豆栽培に携わるも、11年に撤退。12年、ミャンマーとロシア(ウラジオストク)で農業指導に当たる。
津軽・黄金崎農業通信
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