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エクセレント農協探訪記

青森県・木造町農協
米流通や物流コスト削減で農家との共存に積極的対応

 「経済連そのものが銘柄を持っていないんだよ。青森のどこそこ産の米が欲しい。こんな注文が消費地から来ないんだな。いつもブレンド米の原料にされるだけ。買い手からすれば安ければよい。ならば北海道の米の方が安くて買いやすいということになっちゃう。これじゃ青森の米生産者は浮かばれないよ」

 青森経済連はリンゴでも「前科」がある。系統販売を確立できなかったことである。リンゴの系統シェアはたったの3割台だ。商人系の出荷業者が圧倒的に強い。リンゴについで米もとなれば、農協も大変だ。木造町農協は、前者の轍をふまないよう農協独自の販売ルート確立を急いだわけだ。

 しかも米余りの中、そんな経済連に頼っていると、大量の在庫を抱えかねない。値段のことも心配だ。それでなくとも、ここ数年、自主流通米の精算で農家から「手取りが少なくなった」とブーイングが起きている。

 菊地組合長は、組合員のそんな声を受けて経済連へ厳しい注文を投げかけている。

 「(経済連が)農家の満足のいく価格をつけてくれればよいけど、ただ経費だけ掛けて経済連さ取られて。いろんな手数料取られるもんな。最後の精算がいくらくるか。期待してたら、ごくわずかこれだけだ。これじゃ、組合員を説得することはできません」

 食管法が廃止されて新食糧法になった。木造町農協の反応は素早かった。新法への移行を待ってましたとばかりに米の独自販売に乗り出した。減反問題で一躍、その名を全国に知られた岩手県東和町の東和町農協とは特栽米が縁でお付き合いが始まった。10年前から有機米の研究会も作っていた。それが特栽米につながったようだ。

 「組合員が農協についてくる条件は簡単だよ。値段さえよければ何も問題がない。組合員とは対等にお付き合い。良い意味でのパートナーだ。農協だから組合員さんに利用してもらえるということではないんだ。農協もそれなりの努力をしなければねえ」

 米流通で農協が全面的に乗り出したのは県内でも木造町農協だけ。他の農協は新法になっても動かず。すべて経済連頼りだ。それに比べて木造町農協はフライング気味に飛び出していった。いずれこの差は農協の経営体力につながってくる。


優秀な職員がボトムアップ


 木造町農協が熱心なのは独自の販売努力だけではない。物流コスト削減にも独自の工夫をこらそうとしている。米はモミで貯蔵して今ずり米で販売だ。輸送はフレコン。これだと30kgの袋で輸送するより半分以下ですむ。これが最近取り組んでいるコスト削減作戦だ。

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