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フレコン利用を経済連にもちかけてみた。反応は芳しくなかった。
「経済連さんによく話するんですよ。何でフレコンをやらないのと。そうしたら、いつもフレコンは同じ場所に行かないからダメなんだと答える。それだったら経済連でフレコン買えばいいじゃないか。その費用は農協に出資してもらえばいいじゃないか。他の経済連とも連携すればフレコンの回収ぐらい簡単なことだと思うよ」
米流通でも、コストを削減して、その浮いた分を組合員に還元しようという発想が経済連には乏しい。システム的に流通コストを削減する発想もない。結局、農協は96年8月に2000万円を投じてフレコン・パックを購入。フレコン計量充填設備も導入した。
菊地組合長は米流通の末端まで見据えている。いずれ米屋はフレコン対応になる。それができない米屋は取り残されるかもしれない。ならば今のうちにシステム化しておこう。そんな戦略も読みとれる。経済連の消極的な姿勢とはエライ違いだ。
木造町農協が、これだけ「元気印」なのは、いろいろとワケがあった。一つは、良質米がとれ、農家が旧食管法時代にはヤミ米をバンバンやっていた。とくに大規模農家ほど農協離れをしていく。ふつう、こんな場合は農協は力にモノをいわせて潰しにかかることがよくある。木造町農協は違った。
「今は市場経済の時代ではないか。力で潰そうとしてもダメだと思うね。そんなことにエネルギーを傾けるより大規模農家と共存する方向を目指した方が得策だ。規模が大きくなればなるほど、農家も労働力の確保が問題となってくる。そんな時、農協の施設を利用してもらうということが一つの解決策になるのではないか」
農協の施設面の整備は県下一だ。カントリーエレベーターは高い利用率を誇る。最近力を入れている園芸部門では、メロン自動選果機、トマト選果機も組合員の利用率は高い。菊地組合長はこう説明する。
「町内には2つの農協、商人系8業者がいる。そんな競争の中、有利な精算をしなければ組合員の支持は得られません。大競争時代を勝ち抜くためにも施設整備は必要なんですね」
その根底には、農家は栽培に力をいれてもらい、農協は販売に全力投球する。両者の機能を分担して大競争時代に共存を図ろう。とくに農家の規模が大きくなればなるほど両者の役割分担は重要になってくる。
木造町農協には各地から視察がグーンと増えた。地元青森県からも視察が多い。行政、普及所関係、農協関係者という案配だ。立派な施設をみて驚き、農協トップの説明を聞いては感心をする。でも木造町農協に続く優秀な農協はなかなか出てこない。組合員が満足する農協は一朝一夕には作れないということなのだろうか。
菊地組合長は自慢することが一つある。それは職員の質である。全国のどの農協と比べてもダントツに優秀。そんな自負もあるぐらいだ。農協がこれまで手がけてきた有機農業研究会、特栽米ルート、フレコン流通、これらすべては、職員が発案しボトムアップで上がってきた企画である。
「職員38人が現場の組合員の要望を汲み上げてくるんだ。それを職場で話し合って形にまとめていく。うちの職員は優秀な人ばかりなもんで、トップをどんどん引っ張ってくれたということです」
「経済連さんによく話するんですよ。何でフレコンをやらないのと。そうしたら、いつもフレコンは同じ場所に行かないからダメなんだと答える。それだったら経済連でフレコン買えばいいじゃないか。その費用は農協に出資してもらえばいいじゃないか。他の経済連とも連携すればフレコンの回収ぐらい簡単なことだと思うよ」
米流通でも、コストを削減して、その浮いた分を組合員に還元しようという発想が経済連には乏しい。システム的に流通コストを削減する発想もない。結局、農協は96年8月に2000万円を投じてフレコン・パックを購入。フレコン計量充填設備も導入した。
菊地組合長は米流通の末端まで見据えている。いずれ米屋はフレコン対応になる。それができない米屋は取り残されるかもしれない。ならば今のうちにシステム化しておこう。そんな戦略も読みとれる。経済連の消極的な姿勢とはエライ違いだ。
木造町農協が、これだけ「元気印」なのは、いろいろとワケがあった。一つは、良質米がとれ、農家が旧食管法時代にはヤミ米をバンバンやっていた。とくに大規模農家ほど農協離れをしていく。ふつう、こんな場合は農協は力にモノをいわせて潰しにかかることがよくある。木造町農協は違った。
「今は市場経済の時代ではないか。力で潰そうとしてもダメだと思うね。そんなことにエネルギーを傾けるより大規模農家と共存する方向を目指した方が得策だ。規模が大きくなればなるほど、農家も労働力の確保が問題となってくる。そんな時、農協の施設を利用してもらうということが一つの解決策になるのではないか」
農協の施設面の整備は県下一だ。カントリーエレベーターは高い利用率を誇る。最近力を入れている園芸部門では、メロン自動選果機、トマト選果機も組合員の利用率は高い。菊地組合長はこう説明する。
「町内には2つの農協、商人系8業者がいる。そんな競争の中、有利な精算をしなければ組合員の支持は得られません。大競争時代を勝ち抜くためにも施設整備は必要なんですね」
その根底には、農家は栽培に力をいれてもらい、農協は販売に全力投球する。両者の機能を分担して大競争時代に共存を図ろう。とくに農家の規模が大きくなればなるほど両者の役割分担は重要になってくる。
木造町農協には各地から視察がグーンと増えた。地元青森県からも視察が多い。行政、普及所関係、農協関係者という案配だ。立派な施設をみて驚き、農協トップの説明を聞いては感心をする。でも木造町農協に続く優秀な農協はなかなか出てこない。組合員が満足する農協は一朝一夕には作れないということなのだろうか。
菊地組合長は自慢することが一つある。それは職員の質である。全国のどの農協と比べてもダントツに優秀。そんな自負もあるぐらいだ。農協がこれまで手がけてきた有機農業研究会、特栽米ルート、フレコン流通、これらすべては、職員が発案しボトムアップで上がってきた企画である。
「職員38人が現場の組合員の要望を汲み上げてくるんだ。それを職場で話し合って形にまとめていく。うちの職員は優秀な人ばかりなもんで、トップをどんどん引っ張ってくれたということです」
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
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