ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

近藤牧雄さん(愛知県安城市)の場合

 水耕の場合、水のORP値の低下、つまり水の腐敗からですが、土壌においては、高塩類土の障害や過湿によるもので、この過湿と有機物施用が組み合わさるとやはり、ORP値の低下による還元障害が根にでてきます。

 また、水田における夏期の強還元による根傷みも当然、作土層の透水不良や易分解有機物の影響によるものです。

 そして、作物の根からの廃泄物を除去する工夫も土耕栽培において必要となります。畑での排水性を良くすること、深く耕起すること、有機物を入れ生物性を豊かにすることも、実はこの作物廃泄物処理除外に大きく関係しているのです。

 このように考えていくと、水耕における栽培容器の消毒は、必要ではありますがこれだけに神経をつかっているだけではだめで、水そのものの品質管理能力を問われることかも知れません。

 溶存酸素量(DO)や生物学的酸素要求量(BOD)や化学的酸素要求量(COD)の測定も、夏期シーズン中に行うと意味がありそうです。

 また、この近藤農場はその例外ですが、大規模な施設園芸地帯の中で水耕やロックウール耕を行う場合、そこの地下水を汲み上げて原水とすることは、多くの硝酸態チッソやその他の塩類、または土壌病原菌、汚れた有機物質を含むことになるので、まずこのチェックを重要課題とします。


夏期の高温対策

 次に、病害発生の原因に夏期の高温がありますが、これの対策は、通気のよい場所にあればそのことがまず好条件となります。今回の近藤農場のハウスは、大変風通しのよい場所に立地していました。

 そして日光の照射は、遮光シートで対応するしかありませんが、夜間の高温を下げることに、意外と効果を上げているようです。ハウスの立地が狭い通気の悪いところでは、これに加え、夜間換気扇を回し続けることで対応するのがよいようです。

 また、この温度条件は、水耕培養液から吸収する無機成分の違いということも生じてくるのです。この特徴は低温期の吸収減で表われるものが多く、高温時は、その高温環境が原因で、前に述べた根の障害による吸収阻害とは異なるので誤解のないようにして下さい。

 低温で吸収の減じる成分はリン酸やカリです。また、日射量の少ない時期は各成分とも吸収量が減る傾向にあります。 リン酸成分は20℃から10℃に液温が下がると吸収量は急に減ります。カリ成分は30℃ぐらいまで温度の上昇とともに吸収量も増えていきます。

関連記事

powered by weblio