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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

近藤牧雄さん(愛知県安城市)の場合

 また野菜の生育に大きく影響する石灰、苦土、ホウ素ですが、これらは20℃を過ぎると吸収はあまり増えません。

 また温度というより光の量との関係ですが、チッ素濃度は光の量、つまり光合成との関係を直接受けるので適正濃度が光の量によって変化します。光の量が多いと適正濃度の幅は広く、ある程度の高い濃度でもよく、光の量が減ると適正濃度は低くて、この許容範囲も狭くなっていきます。

 このように、無機成分の吸収特性は環境によって変化することは植物栄養学的に研究されて様々のことが解明されていますが、現場ではこの変化にその都度、神経をつかって対処することもできず、また逆に、そんなことをしなくても一定の生育にしていくことが経営上も必要なことですから、土壌の場合と同様の考え方で、幅広い条件下でも作物の根が健全さを保てる環境をつくること、つまり水の酸化還元電位をあまり低くしてしまうことのない水管理といえるでしょう。


■設置された測定機は定期的に検査を 

 そこで再び水管理の話に戻りますが、養液管理のために、自動のpHセンサーとECセンサーがこうした施設栽培には設置されていますが、この測定機の定期的な検査を意外と実施していないところが多いようです。

 携帯式のpHメーターと比べてみると数値が違う場合がよくあります。これはまず、センサー部の電極が長期使用によって精度を狂わせてしまっていること、測定機の本体自体も夏の高温や多湿下にあり、精密機器の稼働条件としては最悪下にあるため、自動pHメーター、ECメーターとも表示に狂いを生じやすくなります。是非このチェックをして下さい。

 また近藤農場の原水の特長として、鉄分が多い水ということでしたが、これは還元条件下には、亜酸化鉄という形に変化して根を傷める大きな原因となります。原水から鉄を取り除くことは不可能ですので、やはり強い還元状態にしないよう心がけることです。

 そして、今回も水耕培養液の肥料成分濃度、つまりチッ素をどのくらい、リン酸をどのくらいというように、基準値をどうしたらよいかということの検討にもなりましたが、その場その場で吸収条件が異なっていくので、完全な培養液をつくることは考えない方がよく、一つの基準値はでているので、これを参考として、この幅を広くとれるようにしていけばよいわけです。

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