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【耕すということ】
ロータリ施肥機・ロータリカルチベータ
- 農学博士 村井信仁
- 第24回 1997年08月01日
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減肥・減農薬のために機械の果たす役割とは
化学肥料や農薬無しに農業が成立しないことははっきりしている。と言うと、過燐酸石灰が一般に使われたのは、明治の中期であり、それ以前は無肥料、無農薬の有機栽培ではなかったか、それが今、何故できないのかと問われたりする。
人間は苦しかったことを忘れ、楽しかったことばかり思い出すように創られている。以前は一寸した異常気象で、しばしば餓死者の出るような飢饉に見舞われている。平年においても現在よりも収量は少なく、不安定であったのである。
これに対し、現在は北海道のように寒冷地でさえ収穫皆無になるような不作にみまわれることはなく、安定して収量も多い。これは何によってもたらされたかと言えば、いろんな技術が関与しているとは言え、化学肥料や農薬の効用に負うところが多いのである。人口が多くなっている現在においては、安定的に収量を確保することは非常に重要であり、ここで化学肥料や農薬を不要とすることはできないであろう。
しかし、このまま野放図に使ってよいことにはならない。生産性向上に不可欠のものとしても多用は逆作用もあり得、さらに環境を汚染し、生態系を崩すことに発展する可能性もあるからである。事実、各地にいろんな問題を惹起していることからクリーン農業、あるいは持続的農業がスローガンとなっていることは周知である。
減肥・減農薬が大切とされながら実際はどうであろうか。単純な減肥・減農薬は生産性を低下させるので、工夫の要るところであるが、いろんな手を加えて、減肥・減農薬に取組んでいる例をあまり聞かない。これでよいかどうか、将来に不安を覚える。
減肥・減農薬を実現するためには、やはり機械が先導的役割を果たさねばならないと思える。先ず、減肥について、ロータリ施肥機の効用について考察してみよう。
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村井信仁
農学博士
1932年福島県生まれ。55年帯広畜産大学卒。山田トンボ農機(株)、北農機(株)を経て、67年道立中央農業試験場農業機械科長、71年道立十勝農業試験場農業機械科長、85年道立中央農業試験場農業機械部長。89年(社)北海道農業機械工業会専務理事、2000年退任。現在、村井農場経営。著書に『耕うん機械と土作りの科学』など。
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