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ソリは土の付着しにくいプラスチック製で、スキーの先端部のように上向きになっており後部は2本の鋼製の棒であるため、先端部が土に潜り込むこともなく、土による抵抗も小さい。
除草の仕掛けは、まず、「く」の字形に曲げられたスプリングタイン(弾性のある鋼)で土中から雑草を処理する。スプリングタインはプラスチックのソリと後部の鋼製の部分を接続するボルトの部分に留められており、左右のソリから土に潜り込むかたちでソリの中間に向かって伸びている。「く」の字の出っ張りの部分が土中から苗の株元を左右から挟むようにして作用し、雑草を処理する。スプリングタインの作用位置はタインの取り付け角度を変えることで深さや株からの位置などを条件に合わせる。
次いで、左右2本の小さなレーキが中心部で端が交差する形に取りついており、これによって地上から雑草の芽を引っ掻いて草を抜く。
作業は、木製の柄の先に除草機をセットして作物の株を跨がせて手で押して株間の草を処理する。作業速度は人が普通に歩く早さで良い。実際に使ってみて自分なりの、あるいは土質なりの調製が必要なのかもしれない。しかし、作物を傷めず、腰をかがめる必要もなくただ歩いて木の柄を押していくだけで株間の除草ができるのは魅力的だ。小さな畑であれば、これとホーがあれば機械はなくとも無理なく除草剤に依存しない栽培ができそうだ。
左右2本のソリで作物をまたぐ形になるため、作物の茎が硬化し草丈が伸びてしまった場合には使えない。しかし、股の高さは約25cmであり、草取りが特に必要な初期段階の作物や茎や葉の柔らかい作物であれば問題はなかろう。豆やビートなどの畑作物の他、ホウレンソウその他の野菜類においても便利に使えると思う。
この株間除草機は、粘土質の場所や湿った土ではやや難があるかもしれないが、軽くて崩れやすい土質、砂地や乾燥した黒ぼく土、砂気の強い土壌でなら具合良く使える。また、畑の条件や雑草の具合などに合わせて自分なりに使い方や設定を変えながら使うことが必要かもしれない。
「上農は草を見ずして草を取る」という通り、雑草は発芽直後であれば土を動かすだけでも処理できる。そうでなくともなるべく発芽後早い段階に除草機をかけることが、手間も少なく処理も確実なものだ。もっとも、この除草機なら、ある程度成長した草でも処理が可能だ。
北海道ではここ数年、各メーカーがトラクタ用あるいは畑用乗用管理機に向く株間除草機の開発普及に力が入ってきている。しかし、面積の大きな北海道の畑作農家ではホーや除草機を使った除草が普通に行なわれているのに、府県においては畑の面積が小さいにもかかわらず除草剤への依存度が高い。農家の意識ばかりでなく、農機具店などからの除草機についての情報提供が少ないことも問題なのではないか。
除草の仕掛けは、まず、「く」の字形に曲げられたスプリングタイン(弾性のある鋼)で土中から雑草を処理する。スプリングタインはプラスチックのソリと後部の鋼製の部分を接続するボルトの部分に留められており、左右のソリから土に潜り込むかたちでソリの中間に向かって伸びている。「く」の字の出っ張りの部分が土中から苗の株元を左右から挟むようにして作用し、雑草を処理する。スプリングタインの作用位置はタインの取り付け角度を変えることで深さや株からの位置などを条件に合わせる。
次いで、左右2本の小さなレーキが中心部で端が交差する形に取りついており、これによって地上から雑草の芽を引っ掻いて草を抜く。
作業は、木製の柄の先に除草機をセットして作物の株を跨がせて手で押して株間の草を処理する。作業速度は人が普通に歩く早さで良い。実際に使ってみて自分なりの、あるいは土質なりの調製が必要なのかもしれない。しかし、作物を傷めず、腰をかがめる必要もなくただ歩いて木の柄を押していくだけで株間の除草ができるのは魅力的だ。小さな畑であれば、これとホーがあれば機械はなくとも無理なく除草剤に依存しない栽培ができそうだ。
左右2本のソリで作物をまたぐ形になるため、作物の茎が硬化し草丈が伸びてしまった場合には使えない。しかし、股の高さは約25cmであり、草取りが特に必要な初期段階の作物や茎や葉の柔らかい作物であれば問題はなかろう。豆やビートなどの畑作物の他、ホウレンソウその他の野菜類においても便利に使えると思う。
この株間除草機は、粘土質の場所や湿った土ではやや難があるかもしれないが、軽くて崩れやすい土質、砂地や乾燥した黒ぼく土、砂気の強い土壌でなら具合良く使える。また、畑の条件や雑草の具合などに合わせて自分なりに使い方や設定を変えながら使うことが必要かもしれない。
「上農は草を見ずして草を取る」という通り、雑草は発芽直後であれば土を動かすだけでも処理できる。そうでなくともなるべく発芽後早い段階に除草機をかけることが、手間も少なく処理も確実なものだ。もっとも、この除草機なら、ある程度成長した草でも処理が可能だ。
北海道ではここ数年、各メーカーがトラクタ用あるいは畑用乗用管理機に向く株間除草機の開発普及に力が入ってきている。しかし、面積の大きな北海道の畑作農家ではホーや除草機を使った除草が普通に行なわれているのに、府県においては畑の面積が小さいにもかかわらず除草剤への依存度が高い。農家の意識ばかりでなく、農機具店などからの除草機についての情報提供が少ないことも問題なのではないか。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
人力株間除草機「魔法のカルチ」
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