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【エクセレント農協探訪記】
熊本県・熊本清和農協
- 土門剛
- 第17回 1997年10月01日
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熊本県阿蘇郡高森町で手広く米を商う山永篤夫さんは、九州のヘソみたいな立地条件を活かして地元・熊本はいうに及ばず、大分、宮崎、鹿児島、福岡などで優秀なコメ農家からコメ集めをやっている。
コメが売れないと嘆くばかりのコメ屋さんと違い、産地に直接赴き、ゲリラ集荷をやってきた。その量3万から4万俵。全国各地のコメ屋さんに売ったり、産直便で消費者にダイレクトに届けたりしている。当然のこと、そのエリアの農協の実情もご存知だ。その山永さんに「どこかお奨めの農協はないか」とリクエストしておいたら、「近くの熊本清和がよか。経営もしっかりしとるし、組合長も職員も立派」という返事が戻ってきた。
善は急げと即座に出張計画を作ったら、山永さんから電話。「農協の理事会で一席ぶって欲しい」。このお願いにはたまげた。長年、この商売をしていて、農協の理事会に飛び入り参加するのは、初めてのことである。農協の理事会にいらっしゃいといわれて、どこかへ強制連行させられるのでは。日頃、農協批判のボルテージを強めているだけに、そんな心配もなくはなかった。その日が近づくまで、何をしゃべってよいものやらと思いつつ、それじゃ、と、食糧庁が仕掛けた米価暴落劇の一席をぶってきた。
コメが売れないと嘆くばかりのコメ屋さんと違い、産地に直接赴き、ゲリラ集荷をやってきた。その量3万から4万俵。全国各地のコメ屋さんに売ったり、産直便で消費者にダイレクトに届けたりしている。当然のこと、そのエリアの農協の実情もご存知だ。その山永さんに「どこかお奨めの農協はないか」とリクエストしておいたら、「近くの熊本清和がよか。経営もしっかりしとるし、組合長も職員も立派」という返事が戻ってきた。
善は急げと即座に出張計画を作ったら、山永さんから電話。「農協の理事会で一席ぶって欲しい」。このお願いにはたまげた。長年、この商売をしていて、農協の理事会に飛び入り参加するのは、初めてのことである。農協の理事会にいらっしゃいといわれて、どこかへ強制連行させられるのでは。日頃、農協批判のボルテージを強めているだけに、そんな心配もなくはなかった。その日が近づくまで、何をしゃべってよいものやらと思いつつ、それじゃ、と、食糧庁が仕掛けた米価暴落劇の一席をぶってきた。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
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