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そればかりではない。切れ目があることは、土圧で土壌が移動し、切れ目を埋めようとすることである。土壌が両側から動くことは緊密な土壌構造が緩むことであり、全体の排水性が改善されることになる。
こうして考察するとプラソイラなるものは、新しい排水性改善機械として評価できる。何よりもけん引抵抗の少ないのが大きな魅力である。小さなトラクタでも、より深く、能率的に作業できることは、農家に福音をもたらすものと言える。
プラソイラは排水性改善=土壌破砕のこれ迄の概念を覆してしまったものであるが、これをさらに発展させても良いと思える。例えば、心土耕プラウの心土桿は作用深20cm程度であり、それ程大きなけん引抵抗ではない。しかし、数が多いことからそれなりの大型のけん引動力源を必要としたものである。心土犂をプラソイラと同じ形状にすれば、けん引抵抗は少なくなるであろうし、下層混層的な作用で、排水の持続性を高めると同時に土壌改良効果を引き出すと考えられる。
心土耕プラウは戦後の耕土改善事業に活躍した。当時、下層土の化学性が劣悪であることから、深耕が望ましいとされても急激な深耕は逆に生産性を低下させるとして、心土を破砕するにとどめ、作土に混ぜない耕法が取られたのである。
最近は、長年の多肥栽培から必ずしも下層土の化学性は劣っていない。また、仮に劣っていても土壌改良資材を投入すればよいことであり、下層土が浮上してきても特に問題になる時代ではない。
より生産性を高めるためには土地の縦利用と言われている。50cm以上の作土を作る前提では、プラソイラを付した心土耕プラウが面白いと考えられる。何年か繰り返している内に、排水性改善と同時に50cm以上の作土を造成してしまうことになり、高位生産技術の一方法として評価されることになろう。
レーザープラウやレーザーレベラが発達し、新しい水田の土づくり技術として注目を集めている。これは不練耕を提唱しているものであるが、ロータリ代かき機の発達が過度の代かきを促し、不透水層を形成せしめて適正減水深を確保できなくなっていることから、これを解消しようとしてのものである。
もちろん、不透水層形成は代かきにのみ問題がある訳ではない。長年にわたってロータリテイラによる浅起こし耕うんは、不透水層を形成することに大きく関与しているのである。水稲に健全な生育を促し、品質向上、増収を期そうとするならば、原点に戻って水田にも深耕であり、反転鋤込み耕による土づくりである。
こうして考察するとプラソイラなるものは、新しい排水性改善機械として評価できる。何よりもけん引抵抗の少ないのが大きな魅力である。小さなトラクタでも、より深く、能率的に作業できることは、農家に福音をもたらすものと言える。
プラソイラは排水性改善=土壌破砕のこれ迄の概念を覆してしまったものであるが、これをさらに発展させても良いと思える。例えば、心土耕プラウの心土桿は作用深20cm程度であり、それ程大きなけん引抵抗ではない。しかし、数が多いことからそれなりの大型のけん引動力源を必要としたものである。心土犂をプラソイラと同じ形状にすれば、けん引抵抗は少なくなるであろうし、下層混層的な作用で、排水の持続性を高めると同時に土壌改良効果を引き出すと考えられる。
心土耕プラウ
心土耕プラウは戦後の耕土改善事業に活躍した。当時、下層土の化学性が劣悪であることから、深耕が望ましいとされても急激な深耕は逆に生産性を低下させるとして、心土を破砕するにとどめ、作土に混ぜない耕法が取られたのである。
最近は、長年の多肥栽培から必ずしも下層土の化学性は劣っていない。また、仮に劣っていても土壌改良資材を投入すればよいことであり、下層土が浮上してきても特に問題になる時代ではない。
より生産性を高めるためには土地の縦利用と言われている。50cm以上の作土を作る前提では、プラソイラを付した心土耕プラウが面白いと考えられる。何年か繰り返している内に、排水性改善と同時に50cm以上の作土を造成してしまうことになり、高位生産技術の一方法として評価されることになろう。
レーザープラウやレーザーレベラが発達し、新しい水田の土づくり技術として注目を集めている。これは不練耕を提唱しているものであるが、ロータリ代かき機の発達が過度の代かきを促し、不透水層を形成せしめて適正減水深を確保できなくなっていることから、これを解消しようとしてのものである。
もちろん、不透水層形成は代かきにのみ問題がある訳ではない。長年にわたってロータリテイラによる浅起こし耕うんは、不透水層を形成することに大きく関与しているのである。水稲に健全な生育を促し、品質向上、増収を期そうとするならば、原点に戻って水田にも深耕であり、反転鋤込み耕による土づくりである。
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村井信仁
農学博士
1932年福島県生まれ。55年帯広畜産大学卒。山田トンボ農機(株)、北農機(株)を経て、67年道立中央農業試験場農業機械科長、71年道立十勝農業試験場農業機械科長、85年道立中央農業試験場農業機械部長。89年(社)北海道農業機械工業会専務理事、2000年退任。現在、村井農場経営。著書に『耕うん機械と土作りの科学』など。
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