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具体的なアプローチ
そのアプローチの要旨をまとめると次の通りです。
・食物連鎖をダウンさせるべきである
現在、穀類栽培面積の37%が家畜用である。これを消費する富裕層の食生活の改善が必要である。例えばこれらを消費する時には課税するようにする。
・他の栽培面積の転用
世界中のタバコ葉の栽培面積を穀物に転用すれば、穀物面積は1%増加する。それによって、1800万t分の穀類が増産される。休耕地の利用方法について研究すべきである。
・水資源の利用を見直す
水資源の枯渇による減産事例が多く、今後も水資源の枯渇が予想される。1tの穀物を生産するには1000tの水が必要であり、効率的な利用方法をとらなければならない。そのためには、イスラエルの灌水技術を学ぶべきである。また、排水の利用方法について研究すべきである。
肥料の効率的な施肥技術や太陽エネルギーの利用方法について研究すべきである
このような提案の他に、日本へのメッセージがありました。
日本へのメッセージ
「米の自由化について、日本が反対するのは当然の事であるが、米価が国際価格の6倍にもなってしまうという構造的問題や、農作物を大量輸入している事の問題解決はどうなっているのか?食糧を大量輸入している自国の安全保障について論じられているのか?」という内容でした。
また、「日本の産地は消費地に近くて恵まれている」というコメントがありました。
どういう事かというと、アメリカのような大国からみれば、日本の農業は北海道であろうと、九州であろうと都市近郊型農業になるそうです。
アメリカの場合、産地から消費地までの輸送距離は平均1800キロあるそうです。(宮城県から沖縄までの距離が約1800キロ)
「日本は都市と農村の共存のバランスが整った手本である」と聞かされ、なるほどと思いました。
レスター・ブラウン氏は日本の農業界でも有名な論客ですが、日本の農業関係者は自分達に都合の良い部分だけ「良いトコ取り」をし、言葉を誤訳しているのではないかと思いました。
この記念講演の座長を務めた、ある日本の大学の偉い先生が、「なぜレスター・ブラウン氏が特別記念講演なのかよく分からない」という事を発言していたのですが、あれは果たしてジョークだったのか、それともほんとに理解出来なかったのか知る由もありませんが、小生は日本人として、出来ればジョークであったことを心から祈りたいものです。
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