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【津軽・黄金崎農業通信】
ドイツの農機ショーで革新技術に出会いました
- (有)サンアップル醸造ジャパン 社長 木村慎一
- 第11回 1997年12月01日
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雨にも負けず
農場のメイン作物のダイコン収穫期となった11月はくる日もくる日も雨。地元にある測候所のデータによれば、月間降水量は364mmで平年の140mmをはるかにしのぎました。これは観測史上第1位の月間雨量とのことです。
この時期、新聞などによれば西日本はカラカラ天気とのことで、日本海中部に停滞した低気圧の何ともうらめしかったことか。
おかげで、農場の機動部隊である機械たちを思うように活躍させることができませんでした。開墾作業に使用したブルドーザー(D3)さえ、圃場に埋まって動けなくなるほどのパニック的な事態さえ生じたのですから、悪天候のすさまじさがお分かりいただけると思います。
それでも、我々は嘆いてはいられず生き物である農作物を適期に管理しなければなりません。特に、この時期の主作業であるダイコンの掘りとりは、遅れると「す」が入り、使い物にならないだけに、難しいところです。また、これまでの経験から生育期間中にこれだけ雨が降れば、横縞が入って著しく商品価値が低下する恐れがありました。
土が乾いているときは、2台の収穫機で、そして、収穫機の搬入が困難なときは、農婦さん方にがんばってもらい、手作業で掘り取りを決行しました。
その結果、適期収穫を成し遂げることができました。それに加え、横縞症状がほとんどでませんでした。これは、例年よりも面積を25パーセントほど減らして除草などの栽培管理をキメ細かく行ったこと、上層へ伸びやすい品種を用いたこと、などの技術成果だと思っております。
いかなる不順天候にも打ち勝つ技術こそは、私共農業人にとって大切なことなのです。このケタ外れに雨量の多かった収穫時期を無事通過し、ことダイコンに関してはわれながら自分の技術をほめてあげたいと、うぬぼれています。
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木村慎一 キムラシンイチ
(有)サンアップル醸造ジャパン
社長
1950年、青森県生まれ。4Hクラブの仲間とともに76年、農事組合法人黄金崎農場(現・⑭黄金崎農場)を設立。88年、青森県青年農業士会会長に就任。2001年、青森県農業経営士会会長に就任。05年、黄金崎農場を退社し、⑰サンアップル醸造ジャパンを設立。07年、ウクライナで大豆栽培に携わるも、11年に撤退。12年、ミャンマーとロシア(ウラジオストク)で農業指導に当たる。
津軽・黄金崎農業通信
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