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【エクセレント農協探訪記】
北海道・北竜町農協
出色の営業センスで独自販売を行い生産者にフィードバック
- 土門剛
- 第18回 1997年12月01日
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農協組合長も、園芸地帯とコメ地帯でタイプが分かれるようだ。前者には営業センスを持ち合わせたタイプが多く出てくるようだが、後者はどちらかといえば行政追随型のタイプが多いように見受けられる。
その理由は果たして何だろうかと考えあぐねていると、コメ行政の特殊性に行き着くような気がした。つまり、コメには各種補助金があって、営業センスのような回りくどいことに力を入れるより、行政追随で補助金をバッチリとしとめた方が農協経営にプラスとソロバンをはじくからであろう。むろん行政と喧嘩しては何のメリットもないので、余計に大人しいタイプの組合長が出てくる。そんな事情も働くのかもしれない。
北竜町農協の黄倉良二組合長は、どちらかといえば、前者のタイプに属する。コメ地帯の組合長には珍しいタイプである。東京や大阪の消費地へ営業活動にドンドン出かければ、新しいものに果敢にチャレンジする。風貌も、田舎のオッサンのイメージではない。背広にネクタイをピシッときめた商社の営業担当重役を思わせるような貫禄だ。
それもそのはず。黄倉組合長のルーツを聞けば、大阪ということだ。曾祖父が大阪のコメ屋さんで奉公をしていて、一念発起をして北海道への入植に参加したという。もう百年近くも前のことである。黄倉組合長の言葉からは、大阪弁こそ聞かれないが、浪速商人の血が脈々とつがれているようだ。
余談だが贔屓の野球チームも、阪神タイガースである。12年前に優勝した時のウィスキーを未だにしっかりと持っているとのことだ。
その理由は果たして何だろうかと考えあぐねていると、コメ行政の特殊性に行き着くような気がした。つまり、コメには各種補助金があって、営業センスのような回りくどいことに力を入れるより、行政追随で補助金をバッチリとしとめた方が農協経営にプラスとソロバンをはじくからであろう。むろん行政と喧嘩しては何のメリットもないので、余計に大人しいタイプの組合長が出てくる。そんな事情も働くのかもしれない。
北竜町農協の黄倉良二組合長は、どちらかといえば、前者のタイプに属する。コメ地帯の組合長には珍しいタイプである。東京や大阪の消費地へ営業活動にドンドン出かければ、新しいものに果敢にチャレンジする。風貌も、田舎のオッサンのイメージではない。背広にネクタイをピシッときめた商社の営業担当重役を思わせるような貫禄だ。
それもそのはず。黄倉組合長のルーツを聞けば、大阪ということだ。曾祖父が大阪のコメ屋さんで奉公をしていて、一念発起をして北海道への入植に参加したという。もう百年近くも前のことである。黄倉組合長の言葉からは、大阪弁こそ聞かれないが、浪速商人の血が脈々とつがれているようだ。
余談だが贔屓の野球チームも、阪神タイガースである。12年前に優勝した時のウィスキーを未だにしっかりと持っているとのことだ。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
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