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【江刺の稲】
業種越え目線の揃う人々の連合を
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第26回 1997年12月01日
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別稿でもご案内の通り、本誌では去る11月20、21日、(社)日本フードサービス協会が主催する「JF食材・産品フェア'97」に、15団体の生産者とともに「農業経営者編集部」として出展した。
ところで、今回の経営者ルポにご登場願った瀧島秀樹さんも、茨城県の石川治男さん(21号経営者ルポで紹介)、山形県の叶野幸衛さんのお二人とともに、共同で同フェアにご参加いただいた。
3氏は、本誌の読者であるだけでなく、住む地域を越えてそれぞれに機械や技術そして出荷先を共有しながら経営の発展を目指している方々なのである。今後の農業経営者のネットワークによる農産物供給のありようを消費企業に理解してもらう意味も含め、本誌が共同での出展をお願いしたものであった。
千葉、茨城、山形という地域の違いを聞くと農産物の生産や流通を共有することの不経済や不便を考える人がいるかもしれない。しかし、現在の農業にかかわる人々の可能性を制約しているのは、空間的な距離の大きさや業種の違いなのだろうか。むしろ、同じ地域や同業種の中にある意識のズレの方が、はるかに人々を遠ざけ、その可能性を狭める結果をもたらしているのではないか。
我々は、すでに徒歩や荷馬車で移動し、物を運んでいるわけではない。様々な交通手段や通信手段を前提に生産や暮らしや流通を成り立たせているのである。
瀧島さんと石川さん、そして叶野さんは、すでに同じ集落の住人だと考えるべきなのである。
ところで、今回の経営者ルポにご登場願った瀧島秀樹さんも、茨城県の石川治男さん(21号経営者ルポで紹介)、山形県の叶野幸衛さんのお二人とともに、共同で同フェアにご参加いただいた。
3氏は、本誌の読者であるだけでなく、住む地域を越えてそれぞれに機械や技術そして出荷先を共有しながら経営の発展を目指している方々なのである。今後の農業経営者のネットワークによる農産物供給のありようを消費企業に理解してもらう意味も含め、本誌が共同での出展をお願いしたものであった。
千葉、茨城、山形という地域の違いを聞くと農産物の生産や流通を共有することの不経済や不便を考える人がいるかもしれない。しかし、現在の農業にかかわる人々の可能性を制約しているのは、空間的な距離の大きさや業種の違いなのだろうか。むしろ、同じ地域や同業種の中にある意識のズレの方が、はるかに人々を遠ざけ、その可能性を狭める結果をもたらしているのではないか。
我々は、すでに徒歩や荷馬車で移動し、物を運んでいるわけではない。様々な交通手段や通信手段を前提に生産や暮らしや流通を成り立たせているのである。
瀧島さんと石川さん、そして叶野さんは、すでに同じ集落の住人だと考えるべきなのである。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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