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【耕すということ】
見えない場所を耕す
- 農学博士 村井信仁
- 第26回 1997年12月01日
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わが国にトラクタが普及し始めた頃は、トラクタを女性が運転することは極く稀であった。現在のように馬力に余裕がなく、ぎりぎりの状態では運転テクニックが必要であり、女性にはとても無理であったからである。
昭和50年代に入ると、女性のトラクタ運転は珍しくなくなった。昭和60年代では当り前となってしまっている。何故ならトラクタが高馬力化してきていることもあるが、トラクタを運転した方が作業が楽だからである。機械で対応できない辛い作業は、男性に任せるのが賢明である。
高速車輛の乗用車の免許を持って嫁さんに来ているのである。低速作業のトラクタに乗れない訳がない。高馬力のトラクタはパワーステアリングであり、ハンドル操作は軽自動車より楽な程である。
さて、女性はどのような場合にトラクタに乗るのであろうか。何と驚くことに、プラウ耕の作業が意外と多い。これは単純連続作業で女性には向いている作業と考えて差し支えない。
その昔、プラウ耕ができれば一人前と言われたものである。今はトラクタもプラウも良くなって、特に高度な技術は要求されない。女性でも楽に運転ができる。むしろ、女性は手抜きをしないので、土づくりの基本作業、プラウ耕は適しているとも言える。
ロータリハローによる砕土・整地作業も女性が行うが、篤農家であればこの作業は男性である。ロータリハローはプラウより楽な作業であることは確かであるが、実は砕土・整地作業をきちんと行わないと、播種・移植作業に引っかかるのである。
砕土・整地作業を適当に行えば、出芽や活着に影響することはもちろんのこと、正確に畦を整えることができずに、そのことが中耕・除草の精密作業を阻害してしまうことになる。プラウ耕を一次耕とするならば、砕土・整地の二次耕はもっと精度を要求するものである。
昭和50年代に入ると、女性のトラクタ運転は珍しくなくなった。昭和60年代では当り前となってしまっている。何故ならトラクタが高馬力化してきていることもあるが、トラクタを運転した方が作業が楽だからである。機械で対応できない辛い作業は、男性に任せるのが賢明である。
高速車輛の乗用車の免許を持って嫁さんに来ているのである。低速作業のトラクタに乗れない訳がない。高馬力のトラクタはパワーステアリングであり、ハンドル操作は軽自動車より楽な程である。
さて、女性はどのような場合にトラクタに乗るのであろうか。何と驚くことに、プラウ耕の作業が意外と多い。これは単純連続作業で女性には向いている作業と考えて差し支えない。
その昔、プラウ耕ができれば一人前と言われたものである。今はトラクタもプラウも良くなって、特に高度な技術は要求されない。女性でも楽に運転ができる。むしろ、女性は手抜きをしないので、土づくりの基本作業、プラウ耕は適しているとも言える。
ロータリハローによる砕土・整地作業も女性が行うが、篤農家であればこの作業は男性である。ロータリハローはプラウより楽な作業であることは確かであるが、実は砕土・整地作業をきちんと行わないと、播種・移植作業に引っかかるのである。
砕土・整地作業を適当に行えば、出芽や活着に影響することはもちろんのこと、正確に畦を整えることができずに、そのことが中耕・除草の精密作業を阻害してしまうことになる。プラウ耕を一次耕とするならば、砕土・整地の二次耕はもっと精度を要求するものである。
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村井信仁
農学博士
1932年福島県生まれ。55年帯広畜産大学卒。山田トンボ農機(株)、北農機(株)を経て、67年道立中央農業試験場農業機械科長、71年道立十勝農業試験場農業機械科長、85年道立中央農業試験場農業機械部長。89年(社)北海道農業機械工業会専務理事、2000年退任。現在、村井農場経営。著書に『耕うん機械と土作りの科学』など。
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