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『農業経営者』定例セミナー

農薬登録問題の現場から~登録制度の現状と、合理化への提案~

  • 千葉大学大学院名誉教授 東京農業大学客員教授 本山直樹
  • 第41回 2009年10月23日

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農薬業界は官主導のハイコストな農薬登録制度から抜け出せないままでいる。食の安全の名のもとに、合理化がなおざりにされたシステムは、天下りの温床を作りだし、農薬の価格上昇という形で農家を圧迫している。10年間に渡って農薬登録問題の現場に携わった本山直樹氏が、登録制度の現状と、時代に即した新システム導入の意義を解説する。
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【『農業経営者』編集部からのセミナー解説】

「私の基本的な立場は、常に科学的な事実を解明すること、農業とそれを担っている農業者を応援すること、そして何が本当の国民の利益になるのかを追求することです」

10月23日の第41回定例セミナーは「農薬登録問題の現場から〜登録制度の現状と、合理化への提案〜」と題して東京農業大学客員教授で千葉大学大学院名誉教授の本山直樹氏にお話いただいた。同氏は98年に農林水産省の農業資材審議会農薬分科会委員に就任し、その後、同会の会長を務め、08年に退任。当日は、農薬が直面している問題として主に、農薬が受けている社会的バッシングと農薬登録制度に関して解説していただいた。


農薬の果たしている役割とは?

農薬の果たしている役割は3つある。まず、農作物を病害虫・雑草の害から保護し、最大収穫量を安定的に確保すること。次に虫食いや傷のない高品質の収穫物の生産を可能にすること。そして労働生産性の向上が挙げられる。農薬を使用しないで栽培した場合、病害虫等によりリンゴ、モモで約100%近く減収・減益となり、他品目の平均でも30〜40%減という調査結果がある。さらに除草剤は人間を昔の牛馬のような重労働からも開放した。10a当りの除草労働時間は50.6時間(49年)から1.7時間(02年)まで減少している。


社会的バッシング

「農薬バッシングがなくならない理由として、農薬の古いイメージがいつまでの残っていることがあげられます」 農薬の安全性を測る指針として、選択毒性がある。哺乳動物と防除対象である昆虫への毒性の割合を示す選択毒性は係数が高いほどヒトへの安全性が高い。急性事故がたくさん起こったパラチオンが、選択毒性の係数が2で害虫と動物の間の毒性はあまり変わらない。ノミ・シラミ対策に学校などでよく使用されていたDDTは59。現在、広く殺虫剤として使用されているペルメトリンでは2143となっている。現在の農薬は格段に進歩している。

「いつまでも農薬バッシングする方々はDDTやパラチオンの時代のイメージで農薬というのを決め付けているわけです」


日本における農薬登録制度

農薬登録における安全性に関する試験が非常に多く、非常にコストがかかる。この負担が農薬メーカーにかかり、成り立たなくなってきている。廃業するメーカーも出てきており、世界的にも吸収合併が進んでいる。さらに農業現場へも影響し、病害防除のための資材が減少、農薬コストの上昇が起こっている。結果、病害虫防除への支障や抵抗性発言のリスクが増大することになる。氏は登録・適用拡大に必要な試験に関する柔軟な対応が必要だという。

「国際基準に合わせて作物残留試験の例数を2例から8例試験しようという提案もありますが、例数が増えればそれだけコストがかかります。2例のままだとしても、そのうちの1例は、残留する可能性が高い条件で行い、基準値を下回っていることが証明されれば良いのです。実質的に安全性が担保されていればいいのです。」

当日には他にも公益法人と天下りの問題、残留基準の国による違いや農薬代替資材などについても言及、忌憚のない議論が進んだ。


▼セミナー参加者の声がこちらからお聞きになれます。

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